ポリカーボネイト樹脂とは
ポリカーボネイト(polycarbonate / PC)は透明性や耐衝撃性に優れたエンジニアプラスチックに分類される樹脂素材です。高い平坦性、平行性を必要とするものがあり、ニットーでは専用の研磨マシンやパッド、研磨剤などを駆使して精密研磨を行っています。
ポリカーボネイト樹脂の用途
レンズやDVD、タッチパネル基盤、スマホのケースやボディ、複合機、車のヘッドランプ、防弾素材など、あらゆる場面で使用されています。
ポリカーボネイト研磨の難しさ
耐熱性・キズの入りやすさ
ポリカーボネイト樹脂は非常に柔らかく熱にも弱い素材です。ガラス研磨と同様の条件で加工すると、表面にキズが多く入ったり変形したりしてしまいます。キズが多く入ると、表面全体が白く曇っているような仕上がりになってしまいます。そのため、ポリカ―ボネイトの特性に合わせた研磨パッドや研磨剤の選定が必要です。
形状維持
ポリカーボネイトは硬度が低く弾性を持ち合わせています。そのため、表面全体に圧力をかけて研磨加工をした場合、基板の端部分が一番負荷がかかるため多く削れ、外周全体の角が取れて丸まってしまう傾向があります。
如何に形状を崩さずに平坦性を維持しながら精密研磨をするかが重要なポイントです。
ポリカーボネイト樹脂の研磨方法
一般的な研磨手順を紹介します。材料状態や仕様に応じて、鏡面加工(ポリシング)は段階を分けて行う場合もあります。
- 受入検査
- 鏡面加工(ポリシング)
- 洗浄
- 検査
1. 受入検査
ポリカーボネイト基板全体のクラック(亀裂やひび割れ)がないかなどの表面状態の確認、厚み測定、汚れ付着有無などの確認を行います。
2. 鏡面加工(ポリシング)
ポリカーボネイト専用のマシン、研磨パッド、研磨剤を使用して研磨加工を行います。お客様が求める表面状態(表面粗さ、キズの許容)を実現し、厚みを揃えます。
3. 洗浄
研磨加工により付着した研磨剤や汚れなどをスクラブ洗浄により除去します。スクラブの際に、取れた研磨剤で表面に傷をつけてしまわない様、スクラブ方手順を明確にルール化しています。
4. 検査
定められた光源や検査の際に見る角度が決められており、表面に欠陥がないか確認を行います。また、お客様の求める仕様に応じて測定などを実施し合否判定を行います。
まとめ
ニットーは樹脂研磨という特別な領域において知見とノウハウを積んでおります。大量生産も得意としておりますので、他社様より短納期対応が可能と自負しております。「樹脂研磨を依頼したいがどこに相談すればよいか分からない」「試作すら断られて困っている」とお困りの企業様はせひお問い合わせください。