ポリプロピレンとは
ポリプロピレン(PP)とはプラスチック(合成樹脂)の一種であり、無色透明な気体(プロピレン)を利用することで作られます。一般的にPPと呼ばれ、多くの日用品の素材として使用されています。
ポリプロピレン樹脂の特性
ポリプロピレンには以下の特性があります。
- 耐熱性
- 軽量性
- 耐薬品性
- 機械的強度の高さ
- 生産性の高さ
- 対候性が弱い
- 接着性に難あり
1. 耐熱性
融点が165度と高く、電子レンジでの加熱に耐えられます。
2. 軽量性
比重が0.9と軽量であり、水(比重1.0)に浮かぶ特性がある。プラスチックの中では最も軽い素材となります。
3. 耐薬品性
酸やアルカリ、沸騰した水、鉱物油など多くの液体や薬品に耐えられます。
4. 機械的強度の高さ
引張強度、圧縮強度、衝撃強度といった機械的強度に優れ、耐摩耗性もあることからキズがつきにくい特徴があります。
5. 生産性の高さ
射出成型や押出成形、ブロー成形、真空成型、圧空成形と様々な製造方法に対応できます。
6. 対候性が弱い
日光など紫外線の影響を受けやすく、変形・割れ・反り・ひび・欠けなどが発生します。
7. 接着性に難あり
水に溶けにくい疎水性という性質を持つため、接着することが難しい素材であり、接着剤でつけることが困難です。
ポリプロピレン樹脂の用途
ポリプロピレンの特性から、さまざまな製品に使用されます。
食品用のタッパーやシャンプーなどの容器、レジ袋や排水管、医療用容器(注射器など)、車のバンパーなどがあげられます。
ポリプロピレン樹脂の平面研磨について
量産性に難があるポリプロピレン平面研磨
ポリプロピレンの平面研磨は一般的にサンドペーパーやバフ研磨などのハンドメイドがメインになります。手作業での加工により、量産性が悪くコストが掛かりやすいのが難点です。
ニットーでは研磨加工装置を用いて一度に複数の製品を研磨加工することができ、大量生産できることからコストを抑えられます。当社の主な研磨加工方法は以下となります。
ニットーのポリプロピレン研磨加工方法
粗面研磨(ラッピング)
- ラッピングでは表面の大きな傷や凹凸、うねりを取り除くために粗い研磨剤を使用します
- 研磨剤は通常、硬度の高い砥粒(例: アルミナ、炭化ケイ素)を水に分散させてスラリーとして使用されます
- スラリーを供給しながら、鋳鉄などの硬質材料のラップ盤に圧力と運動を加えながら加工対象に対し摺り合わせ運動を行い研磨します
- ラッピングでは硬度の高い砥粒を用いることで加工対象を素早く薄型化、平坦化できるメリットがあります
- ニットーではポリプロピレンに適した研磨剤を選択し、粗面研磨を行います
鏡面研磨(ポリッシング)
- 粗面研磨後さらに細かい研磨剤を使用して表面の微細な傷や凹凸を取り除き、鏡面化することを目的とします
- 研磨剤はアルミナ、酸化セリウム、酸化ケイ素スラリーが使用されます
- ラッピングと異なり軟質材料の工具(ポリシングパッド)を使用し研磨します
- ラッピングと同様、ポリプロピレンに適した研磨剤とポリシングパッドを使用し研磨します
まとめ
ニットーでは平面研削装置も保有しており、固定砥粒(研削ダイヤ)での研削加工も可能です。 ポリプロピレン以外のプラスチック(樹脂)やセラミックス、ガラスなど様々な素材に合わせて研磨加工ができます。どうぞお気軽にご相談ください。