アクリル研磨とは
一般的にアクリルの研磨と言うとバフやペーパーなどで磨き、鏡面化するイメージが強いですが、用途によって鏡面化だけでなく精度(平面度や平行度、粗さなど)も必要となります。この記事では精度が求められるアクリル研磨についてご紹介します。
アクリル研磨の難しさ
アクリル樹脂を研磨機での加工で生じる幾つかの弊害をご紹介します。
熱
アクリルは熱可塑性樹脂に分類され、熱により形状が変化してしまいます。
研磨機は抵抗による熱を発生させるため、熱しやすい加工工法となりますが、加工者には発熱具合が把握しづらく管理が非常に難しいです。
装置占有化
アクリル樹脂の精度を追及するには特殊な研磨PADや研磨剤が必要となりますが、一方でガラスなどの異なる素材には適しません(※他の樹脂素材にも適合しない場合が多いです)。そのため、アクリル樹脂の研磨用に装置を占有化する必要があります。
欠陥
過度な圧力など加工条件によってはキズやクラックなどの欠陥が入りやすいです。
そのため多くの経験値が必要となります。
アクリルの研磨方法
一般的な研磨手順をご紹介します。
必要に応じて粗加工・鏡面加工は段階を分けて行う場合もあります。
- 受入検査
- 粗加工(ラッピング)
- 鏡面加工(ポリシング)
- 洗浄
- 最終検査
1. 受入検査
アクリルの全体のクラック(亀裂やひび割れ)がないかなど確認を行います。お客様の要望に応じて評価する項目が変わります。
2. 粗加工(ラッピング)
アクリル表面を粗削りして厚みを薄くすると共に、材料にあるうねりや凹凸、ソリを矯正します。
3. 鏡面加工(ポリシング)
粗加工での表面ダメージを除去して、お客様が求める表面状態(表面粗さ、キズの許容)、厚みなどを揃えます。ニットーでは複数の研磨パッド、研磨剤の組合せにより多段階の鏡面加工を実施できます。
4. 洗浄
加工時についた研磨剤や汚れ、埃などをスクラブして除去し乾燥させます。また必要に応じて洗浄槽も活用します。
5. 最終検査
特殊な光をあて、アクリル表面に欠陥がないか確認を行います。またお客様の要求(仕様)に合わせて測定も実施し、合否判定を行います。
アクリル樹脂研磨の加工スペック
当社では平行度1μ以下を実現するなど、高スペックな品質をご提案できます。樹脂研磨という特殊な領域においてニットーは知見とノウハウを積んでおります。
「樹脂研磨を依頼したいがどこに相談すればよいか分からない…」「試作すら断られて困っている」とお困りの企業さまはぜひお問い合わせください。ニットーの樹脂研磨技術についてご紹介させていただきます。
まとめ
豊富な研磨加工機と樹脂研磨の経験値がニットーの強み
- アクリル樹脂は用途が広く、求められるスペックにも大きな差があります。ニットーでは加工マシン総数が多いため占有化しやすい環境です
- 以前より樹脂研磨加工に取り組んでいる経験値の大きさにより、高スペックでの加工を実現します
- 研磨加工の大量生産も得意としており、他社様よりも大量に加工できます
お困りの際にはぜひお声掛けください。