プラスチックの鏡面研磨
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プラスチック研磨の必要性
金属やガラス素材の代替材料として注目を集めるプラスチック研磨
プラスチックは軽量化を目的として、金属やガラス素材の代替材料として注目を集めています。プラスチックは射出成形等であらかじめ型に入れて形状を作りますが、型では作ることができない形状や精度や透明度を出すために研磨が必要となります。
プラスチック研磨の種類と課題
プラスチックと一言で言っても、多種多様なものが存在します。同じように見えるプラスチック(樹脂)でも、物理的性質や化学的性質などが異なります。
プラスチックは大きく分けると熱可塑性のものと熱硬化性のものがあります。
プラスチック研磨の種類
熱可塑性プラスチック(加熱すると溶けるタイプ)
塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ABS樹脂(ABS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリウレタン(PUR)、ポリエチレン(PE) など
熱硬化性プラスチック(加熱することで硬くなるタイプ)
フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド(PI) など
プラスチック研磨の課題
プラスチック種類ごとに研磨条件が異なる
プラスチック種類ごとの物理的性質や化学的性質などの影響で、同じ研磨材を用いても同じような仕上がりになりません。また、金属とは違いプラスチックは熱に弱いほか、柔らかいという特性があります。表面硬度が弱く、どのような研磨材を用いても一回の研磨で削られる量が多くなってしまいます。そのため、決められた規格に納めることが非常に困難な素材です。
透明度が重要
プラスチック研磨の多くは透明度が求められます。透明度を実現するには研磨材の付着や研磨時に発生する変色などが問題となります。研磨メーカーとしても研磨の技術やノウハウが問われる素材です。
プラスチック研磨の手順
一般的な研磨手順を紹介します。
必要に応じて粗加工・鏡面加工は段階を分けて行う場合もあります。
- 受入検査
- 粗加工(ラッピング)
- 鏡面加工(ポリシング)
- 洗浄
- 最終検査
1. 受入検査
プラスチックの全体のクラック(亀裂やひび割れ)がないかなど確認を行う。
お客様の要望に応じて評価する項目が変わります。
2. 粗加工(ラッピング)
プラスチック表面を粗削りして、厚みを薄くすると共に材料にあるうねりや凹凸、ソリを矯正します。
3. 鏡面加工(ポリシング)
粗加工での表面ダメージを除去して、お客様が求める表面状態(表面粗さ、キズの許容)、厚みなどを揃えます。
当社では複数の研磨パッド、研磨剤の組合せにより多段階の鏡面加工を実施できます。
4. 洗浄
加工時についた研磨剤や汚れ、埃などをスクラブして除去し乾燥させます。また必要に応じて洗浄槽も活用します。
5. 最終検査
特殊な光をあて、プラスチック表面に欠陥がないか確認を行います。またお客様の要求(仕様)に合わせて測定も実施し、合否判定を行います。
まとめ
プラスチックの研磨においては、プラスチック種類ごとの物理的性質や化学的性質などにより研磨条件は多岐にわたります。
お客様が求める品質に応えるニットーの研磨技術
ニットーは100台以上の研磨機を保有していることに加え、これまで培ってきたノウハウを基に数ある「研磨剤」×「研磨パッド」×「加工条件」の組合せから、お客様が求める品質を追求いたします。
プラスチック基板の「薄型化」「平坦化」などでお悩みのお客様は試作加工も含め、お気軽にご相談ください。
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