樹脂(プラスチック)の研磨加工とは
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一般的に樹脂には「削る」という作業は聞かれますが「磨く」という作業は聞かれません。しかしながら、樹脂の研磨も存在します。このページでは樹脂の簡単な説明から研磨までを紹介します。
樹脂(プラスチック)の種類
樹脂は大きく分けて「天然樹脂」「合成樹脂」に大別できます。
更に、天然樹脂の中では「植物性樹脂」「動物性樹脂」に分けられ、合成樹脂では「熱可塑性樹脂」「熱硬化性樹脂」の合計4つに分けられます。
天然樹脂 | 動物性 | 植物性 |
合成樹脂 | 熱可塑性 | 熱硬化性 |
※合成樹脂=プラスチックと呼ばれます。
2種の合成樹脂(プラスチック)
樹脂研磨では合成樹脂を主に磨くことが多いです。そこで、合成樹脂の2つについて簡単に説明します。
熱可塑性樹脂
ガラス転移点もしくは融点に達した際に柔らかくなる樹脂材です。冷やすとまた固くなります。
熱硬化性樹脂
加熱すると固くなる樹脂で、一定温度を超えると硬化します。その後冷えた状態では熱を加えても溶ける事はありません。
樹脂研磨の目的
合成樹脂は射出成形等で作られますが、使われる用途により求められる仕様が異なるため、多種多様な合成樹脂が開発され活用されています。
しかしながら、開発された合成樹脂そのものの形状では活用できないことが多く、形を整える作業が必要となります。その形を整える作業の1つに樹脂研磨も該当します。
樹脂研磨の効果
- 表面のキズが軽減される(透明度が高まる)
- 平面度・平行度が改善される
- 厚み調整が可能
これらの効果により、目的に即した基板を作成できます。
表面のキズが軽減される
透過性・視認性・色再現性の向上や光の散乱の軽減が期待できます
平面度・平行度が改善される
部品の正確な位置決めが可能、光学特性の安定化、均一な膜の塗布が可能となります。
厚み調整が可能
部品の正確な位置決めが可能となり、製品の精密化に役立てることが可能です。
研磨の種類
代表的な研磨方法
- 手研磨(電動サンダーや紙やすり、ペーパーなど)
- 機械研磨(メカニカル研磨)
- ケミカル研磨
- 電解研磨
ニットーが得意な両面研磨
当社では機械的な力や運動を加えて加工する機械研磨を用いて加工しており、その中でも両面を同時に磨ける「両面研磨機」を用いて加工します。
樹脂研磨の難しさ
合成樹脂には「熱可塑性樹脂」「熱硬化性樹脂」と全く特徴が異なる2種に分別されます。
それぞれを同じような加工手段を用いてしまうと上手くいきません。
さらに、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の中でも物理的性質・科学的性質が異なる基板が無数にあり、それぞれに対して適した研磨方法を見出す必要があります。
それはガラス研磨のように比較的近い条件で対応できるものではなく、(同じ合成樹脂と言えど)条件の振り幅が非常に大きくならざるを得ません。
樹脂研磨の手順
- 基板の特性を大まかに把握し、適した条件の仮説を立てます
- 必要な取り代から粗研磨・精密研磨の取り代を決めます
- 両面加工機に対象物をセットして粗研磨を行います
- 両面加工機に対象物をセットして精密研磨を行います(3、4の過程で仮説を検証し、より最適な条件を見出します)
- 表面に残った研磨剤などの残留物を除去します
- 外観検査を行い、定性的なスペック(キズなどの欠陥や透明度など)を評価します
- 測定検査を行い、定量的なスペック(平行度や表面粗さなど)を評価します
まとめ
一言で樹脂研磨といっても、素材に応じて適した加工条件は異なります。これはガラス研磨の比ではありません。また加工条件だけでなく、マシンへのメンテも変わってきます。
樹脂研磨のトライ&エラーを繰り返せるニットー
ニットーではいち早く樹脂研磨を手掛け、得た経験を元に適した仮説条件を見出し、トライ&エラーを繰り返せる土台があります。保有マシン数も多いため、様々なテストができる環境も大きな一助となっております。
樹脂研磨の試作からのご相談も承りますので、お気軽にお声がけください。
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