研磨パッド(ポリシングパッド)
鏡面研磨加工に用いる樹脂製の軟質な研磨工具であり、研磨パッド(ポリシングパッド)、研磨布などと呼称されています。
研磨パッドの仕組み
研磨パッドの表面には微細な空孔があり、供給された研磨砥粒を保持する性質があります。研磨砥粒を保持し、加工対象に摺り合わせ表面の凹凸を除去、平滑化することで鏡面化することができます。
研磨パッドには様々な種類があり、加工対象や研磨品質に合わせ材質や硬度を変更して使用します。
研磨パッドの種類
一般的には「ウレタンパッド」「不織布パッド」「スウェードパッド」の3種の研磨パッドが使用されます。
発泡ポリウレタンパッド
発泡構造を持つ硬質なポリウレタン製の研磨パッドで、酸化セリウムなどの研磨砥粒を含侵したタイプもあります。
他のパッドよりも硬質であるため、対象物を平坦化することに長けており、主に1次研磨として使用することが一般的です。硬質な分、他のパッドよりキズの発生や表面粗さが粗くなりやすい傾向にあります。
研磨対象 ガラス・石英・シリコン・セラミックスなど
不織布パッド
ポリエステルなどの不織布にポリウレタンなどを含侵したものであり、主に1次・2次研磨に使用します。ウレタンパッドに比べ軟質であり、表面粗さの改善やキズなどの欠陥を抑えやすいのが特徴です。スウェードパッドよりは硬質であるため、ウレタンとスウェードの中間に位置するパッドとなります。
研磨対象 セラミックス・シリコン・化合物など
スウェードパッド
合成繊維の不織布に特殊なポリウレタン樹脂を塗布し、水と反応させることでNAP層を形成。不織布やPETシート上にNAP層を形成し、仕上げ研磨用として用います。ウレタンや不織布パッドに比べ軟質であり、最も表面粗さの改善が期待出来ます。デメリットとして平坦化には不向きなパッドとなります。
研磨対象 液晶ガラス、フォトマスクガラス・シリコンなど
まとめ
研磨パッドは鏡面研磨加工に用いる軟質工具であり、大まかに3種類に分かれます。
- 発泡ポリウレタンパッド 平坦化重視。1次研磨用
- 不織布パッド ウレタンとスウェードの中間タイプ。1次、2次研磨用
- スウェードパッド 表面粗さの改善重視。仕上げ研磨用
ニットーでは、様々な素材に合わせ最適な研磨パッドを選定し、お客様の求める研磨品質に仕上げる鏡面研磨加工を行っております。