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低熱膨張ガラスの研磨

低熱膨張ガラスとは

低熱膨張ガラス(Low Thermal Expansion Glass)は、熱膨張率が低い特性を持つガラスのことです。低熱膨張ガラスは温度変化による寸法変化を最小限に抑える必要がある以下のような場面で使用されます。

低熱膨張ガラスの用途

1.精密な測定装置や光学機器

2.半導体製造装置や基板

低熱膨張ガラスの種類

代表的な材料の膨張率
材料 膨張率(×10^(-6)/℃)
石英ガラス 0.55
ケイ素 2.6
珊珪酸ガラス 3.25
炭化ケイ素(ファインセラミックス) 9.0
11.7
14.5
ステンレス 17.0
アルミニウム 23.0
ポリカーボネート樹脂 80.0

低熱膨張ガラスの研磨

「平坦性」を出しやすい低熱膨張ガラス

低熱膨張ガラスは数あるガラスの中でも比較的削りにくい部類に入ります。その代わり、ソーダライムなどといった加工が容易なガラスに比べ、「平坦性を出しやすい」という特徴があります。

低熱膨張ガラスの研磨はガラスの形状により様々な研磨方法が考えられます。ここでは平面ガラスの加工を前提とします。

低熱膨張ガラスでよく使われる研磨剤

酸化セリウム(※)が研磨剤として多く使われます。また、研磨剤の粒子の大きさが様々あり、加工の速さを優先する際は粒子が大きめのものを選定します。逆にガラスの仕上がり(滑らかさ)を優先するときは小さめの粒子を使用します。「加工速度」と「研磨面の精度」のどちらを優先するかにより研磨剤の選定を行います。

 

※ 酸化セリウム

ガラスの表面を滑らかにし、鏡面化するプロセスにおいて効果を発揮する研磨剤です。パウダー状、液状などの種類があり、粒子の大きさや硬さによりガラス表面の仕上がり具合に差が出ます。

低熱膨張ガラスガラス研磨の手順

ガラスの大きさや厚さ、取り代(削る厚み)など目的により加工方法は異なりますが、共通する手順は以下の通りです。

 

  1. 研磨機の選定
  2. 研磨剤・研磨パッドの選定
  3. 研磨加工
  4. 洗浄
  5. 検査
  6. 測定
  7. 梱包・出荷

1. 研磨機の選定

加工するガラスの大きさや厚み、数量などから加工に適した研磨機の選定を行います。ニットーは大型基板を得意としていますが、小型機も所有しておりますので小型基板かつ少量の試作も承ります。

2. 研磨剤・研磨パッドの選定

仕様に応じて研磨剤及び研磨パッドの選定を行います。スクラッチ(キズ)やディグ(くぼみ)、または求められる表面粗さにより研磨剤および研磨パッドの選定を行います。

3. 研磨加工

研磨機にプログラム設定をし加工します。ニットーは両面機での表裏同時加工により短時間加工を実現しています。また、両面加工は平坦性を出しやすいという特徴もあります。サイズによっては両面機に入らない場合もありますが、その際は片面機を使用します。

4. 洗浄

研磨加工後、専用の洗剤によりスクラブを行い汚れを除去します。研磨加工後の基板を洗浄機にそのまま投入した場合、洗浄機内に汚れが沈殿しやすく洗浄効果が落ちてしまいます。よって、洗浄機投入前のスクラブは欠かせません。

また、ガラスによっては研磨剤が固着しやすい場所が異なる場合があり、スクラブによりピンポイントで洗浄をすることが可能です。

5. 検査

加工したガラスの外観を検査します。クリーンルームのクラス1000もしくはクラス100(検査室内の埃の少なさを示すレベル)の暗室内において、専用の光源を用いて行います。検査工程で仕様に外れたキズなどが検出された場合は、前工程に戻され再加工がおこなわれます。

6. 測定

平面度(平坦性)や平行度、表面粗さなどの測定です。基板のサイズや形状、厚みに応じて最適な機材により測定が行われます。測定値はニットーにおける加工の実力値の指標となりますので、今後の技術向上につなげるためにも必要な重要な工程です。

7. 梱包・出荷

検査規格をクリアした製品は、クリーンルーム内において埃が付かない状態で包装されます。その後、製品が輸送途中に破損などしないよう最適な梱包をして出荷します。

低熱膨張ガラス研磨のニットー実績例

実績1 50×50の大きさで0.08tの加工
実績2 1メートル角サイズ以上の加工

まとめ

ニットーは低熱膨張ガラスの実績が豊富です

ニットーは低熱膨張ガラスの実績を多く持ち、お客様の様々なご要望に応えてまいりました。ご支給材の研磨加工は勿論のこと、材料の手配から承ることもできますので何なりとお申し付けください。

また、ご希望の精度を出すために必要な取り代(削る厚み)などもご提示させていただきます。お気軽にお問い合わせください。

 

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こんなお困りごとを抱えている方におすすめの資料です。

・高い精度の表面が求められている
・検討している素材に対して、研磨ができるか調査している

お手元に置いていただき、社内共有にもぜひお役立てください。