無アルカリガラスの研磨
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無アルカリガラスとは
一口に「ガラス」と言っても様々な種類があります。その中でも環境に配慮したものが「無アルカリガラス」です。無アルカリガラスはナトリウム、カリウム、アンチモンやヒ素などのアルカリ成分を含まないガラスで環境に配慮した製品です。
無アルカリガラスの主成分
一般には二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素および酸化カルシウムや酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物を主成分にもちます。
無アルカリガラスの特徴
無アルカリガラスはアルカリ成分の代わりにホウ酸を添加することで溶融性を維持しています。薬品や水などによって表面が浸食されにくく、電気絶縁性に優れています。
また、アルミノホウケイ酸塩系の無アルカリガラスはソーダ石灰ガラス(ソーダライムガラス)に比べて加熱冷却による寸法変化が小さく、高い弾性率を示します。
このように無アルカリガラスは「耐薬品性」や「熱的寸法安定性」に優れたガラスです。
無アルカリガラスの用途と製造方法
用途
PCやスマートフォン、タブレット端末などのディスプレイガラスに
無アルカリガラスは、耐薬品性や熱的寸法安定性能を生かし、PCやスマートフォン、タブレット端末などのディスプレイガラスに使用されています。
液晶ディスプレイ用基板ガラスは、ガラスの上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成するため、アルカリ成分を含まない無アルカリガラスが使用されています。
無アルカリガラスの製造方法
これら基板ガラスのなかには2メートル四方程度の大きさのものもあります。連続溶融窯によってガラス原料を溶融し、板ガラス製造方法によって板状のガラスに成形され、製造されます。
フュージョン法
溶融ガラスをフュージョンパイプ(樋状パイプ)に供給し、両側にあふれ出たガラスをあわせながら下方に引っ張り、板状に成形する方法です。
フロート法
溶融ガラスを、溶融金属スズで満たされたフロートバス(スズ浴槽)に供給し、スズ上に浮かんだガラスを水平方向に引っ張りながら板状に成形する方法です。
無アルカリガラスの研磨
有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ用基板等に使用される無アルカリガラスにはあらゆる特性が要求されます。
求められる研磨特性
- 内部および表面に欠陥(泡、脈理、ピット、キズ等)が無いこと
- ディスプレイの軽量化が要求され、ガラス基板の薄板化が望まれること等
用途によって変わる研磨特性
フロート法で成形されたガラス基板はその表面に微小な凹凸やうねり(3~30mmのピッチで、最大高さが0.3μm程度のうねり)が存在します。このような微小な凹凸やうねりはフロート法で成形されたガラス基板を自動車用、建築等の板ガラスとして使用する場合は問題となりません。
ディスプレイ用ガラス基板の場合
しかし、各種ディスプレイ用ガラス基板として使用する場合は、製造されるディスプレイの画像に歪みや色むらを与える原因となります。
このため、研磨により微小な凹凸やうねりを除去することが必要となります。これらの欠陥を除去し、求められる特性を生み出す目的で研磨加工が実施されています。
無アルカリガラス研磨のまとめ
ニットーでは無アルカリガラスの研磨はもちろん、その他様々な素材(ガラス・セラミックス、金属、樹脂)を研究用の試作研磨加工から、量産を見据えた試作加工など高い完成度が要求される分野においてさまざまな研磨加工の実績があります。
欠陥除去や薄型化のための研磨はもちろん、研磨に関する様々なお悩みに対応致しますので、お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。
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