金属研磨とは

金属研磨

金属研磨とは文字通り、研磨によって対象となる金属の表面を磨くことを指します。その際、金属の表面を粗く仕上げるのか、または鏡面化させるのかで研磨の方法が変わってきます。

金属研磨の原理

一番簡単な手法としては、紙やすり（サンドペーパー）で対象となる金属面を擦ることにより、表面を磨くなどがあると思います。これらの手法は手軽ではありますが、時間もかかり精度も出ません。

機械研磨

多くの金属研磨は「ラップ盤」「ポリッシングパッド」「砥石」などの工具面に研磨剤や研磨液を供給し、そこに対象物を押し付けて擦りつける機械研磨が行われます。その際、対象物の硬度や仕上げ表面の品質により、研磨剤や研磨液を選択します。

ニットーの得意領域は機械研磨です。機械研磨をメインに研磨加工を行っております。

電解研磨、化学研磨

他にも電気化学反応により金属の表面性を改善する「電解研磨」、溶液に金属を浸しその化学変化で金属の表面を腐食させて研磨を行う「化学研磨」などがあります。

重要な加工後の錆対策

金属研磨で注意しなくてはならないのが、加工後の「錆（サビ）」です。季節や湿度によっては研磨直後に錆が出てしまう素材もあり、それらに対しての対策も必要になります。

金属研磨の手順

金属研磨は一般的に「粗面研磨（ラッピング）」を行い、その後、「鏡面研磨（ポリッシング）」の順番で行います。

粗面研磨（ラッピング）

• 初めに表面の大きな傷や凹凸、うねりを取り除くために粗い研磨剤を使用します
• 磨剤は通常、硬度の高い砥粒（例: アルミナ、炭化ケイ素）を水に分散させてスラリーとして使用されます
• スラリーを供給しながら、鋳鉄などの硬質材料のラップ盤に適切な圧力や運動を加えながら対象物を押し付けて研磨を行います
• ラッピングではポリッシングに移行するまでに順次砥粒を細かくし、寸法、形状、表面性状などを整えていく工程を取ります

鏡面研磨（ポリッシング）

• 粗面研磨後、さらに細かい研磨剤を使用して表面の微細な傷や凹凸を取り除きます
• 研磨剤はアルミナ、酸化セリウム、酸化ケイ素スラリーが使用されます
• ラッピングと異なり軟質材料の工具（ポリシングパッド）に対象物を押し付けて研磨を行います
• ラッピング同様に順次砥粒を細かくし、またポリシングパッドを変更し、寸法、形状、表面性状などを整えていく工程を取ります

金属研磨の種類

金属研磨にはいくつかの異なる種類があります。代表的な金属研磨を説明します。

1. 機械研磨
2. バフ研磨
3. 電解研磨
4. 化学研磨

１. 機械研磨（メカニカルポリッシュ）

機械研磨は機械的な力を使用して表面を研磨する方法です。化学的な力も組み合わせたケミカルメカニカルポリッシュ（CMP）と呼ばれる研磨方法もあり、半導体製造などの微細な構造の研磨にも使用されます。

２. バフ研磨

バフ研磨も機械的な力を使用して表面を研磨する方法です。バフと呼ばれる布やフェルトを研磨工具として使った研磨方法です。広範な産業分野で使用される一般的な研磨方法ですが、手作業の場合が多く、量産性と仕上がりの安定性が難しくなります。

３. 電解研磨

電解研磨は電気化学的なプロセスを使用して金属表面を研磨する方法です。特に金属薄板などの薄い材料、複雑な形状の材料に対して表面に均一な研磨を行える利点があります。

4. 化学研磨

化学研磨は化学研磨液と呼ばれる特殊な溶液を熱し、化学反応を発生させた上で溶液中に対象物を浸漬させ、表面を溶かしながら研磨処理を行います。また、電気を使わないので、バリが発生することや元の表面が残ることがありません。さらに通電しない分、比較的ローコストでの処理が可能です。

一方で、対象物の表面が凹凸していた場合に平坦化することが難しくなるというデメリットもあります。

金属研磨についてのご相談承ります

ニットーでは様々な素材、寸法、表面性状の研磨対応が可能です。 試作からも承りますので、「この金属材質の研磨ができるかどうかも分からない…」「金属研磨の表面性状・品質で困っている」などでお困りの企業様はぜひお気軽にご相談ください。