研磨の測定装置の種類と役割
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研磨の測定装置の役割
研磨工程では製品の表面さえ綺麗に仕上がっていれば良いという訳ではありません。加工後に基板がどのような状態にあるのかを調べる必要があります。このとき、求める品質、仕様や目的によって必要になるパラメータは異なります。これらを無視したまま研磨加工を進めてしまうと、希望した品質に仕上がらない場合があります。望んだ通りの品質に仕上げるために研磨の測定装置を利用します。
研磨加工の測定
研磨加工した製品の使用目的に沿って必要になるパラメータはいくつかあります。この項目では研磨加工における代表的なパラメータ「板厚」「表面粗さ」「そり」と、その役割について説明します。
板厚
製品を研磨加工していくと厚みがどんどん薄くなります。薄くなった量や現在の厚みを把握するために、板厚測定を行う必要があります。また、板厚と加工時間を用いて加工レートを算出することができます。
表面粗さ
製品を研磨加工すると、表面にはツルツルとした面が現れます。しかし、実際は目には見えない凹凸があり、研磨面はざらざらしています。このざらざらした度合いを求めるために、表面粗さ(RaまたはSaで表される)と呼ばれる指標を用います。
表面粗さは表面の凹凸や起伏の間隔によって求められ、値によって基板の性能に差が現れます。目には見えない微細な差異を測定することで、研磨加工後の硝材の精度の理解につながります。
そり
製品は一見まっすぐの板のように見えますが、実際は片側に反ってしまっている場合があります。この状態をそりといいます。基板にそりがあると研磨加工時にうまく平らなまま加工できない場合や、薄い基板であればクラックの原因となってしまいます。
研磨の測定装置の種類
研磨の測定装置にはいくつか種類があります。測定目的に対して適切に装置を使い分けることが重要です。以下に示したのは研磨工程で使用頻度の高い測定装置です。
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マイクロメーター
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白色干渉顕微鏡,
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AFM(走査型プローブ顕微鏡)
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レーザー干渉計
1. マイクロメーター
製品の板厚を測定するために使用します。測定したい研磨対象物を挟んでその外形や厚みなどを1µmの単位で測定することができます。
2. 白色干渉顕微鏡
製品の表面粗さを測定する際に使用します。基板の微細な表面形状を高さ情報として変換することができるため、研磨後の表面状態の理解に役立ちます。白色干渉顕微鏡は高さの検出に光を用いるため広範囲の測定が得意な反面、精度面ではAFMほど高くありません。
3. AFM(走査型プローブ顕微鏡)
白色干渉顕微鏡と同様に硝材の表面粗さを測定する際に使用します。AFMは原子間力を検知して高さ信号に変換しているため、白色干渉顕微鏡と比較して非常に高い精度で研磨加工の表面粗さを測定することができます。広い範囲を測定することは得意ではありません。
4. レーザー干渉計
レーザー反射光の干渉を利用して、ミラーやレンズなどの光学部品・精密部品の表面形状誤差(平面度、球面度)を高精度に測定する機器です。高精度な平面測定や形状測定に優れています。
また、平らな測定面を持つ透明なガラス製の基準基板(オプティカルフラット)を用いることで、測定時に現れる縞模様(干渉縞またはニュートンリング)の本数によって、基板のそり状態を確認することができます。
ニットーの研磨測定装置
- AFM(原子間力顕微鏡) 最大サイズ:Φ200
- 走査電子顕微鏡SEM-EDX分析装置付き
- 表面粗さ計
- 斜入射レーザー干渉計
- 平面度解析装置 最大サイズ:□200
- レーザー干渉計(解析装置付き)最大サイズ:φ150
- 3次元白色光干渉顕微鏡 最大サイズ:□150
- デジタルマイクロスコープ
- 共焦点顕微鏡 最大サイズ:300x400
- 微分干渉顕微鏡 最大サイズ:300x400
- 測定顕微鏡 最大サイズ:□100
- 双眼実体顕微鏡
- 画像寸法測定器 最大サイズ:Φ100
- 投影寸法測定器 最大サイズ:Φ200
- マスクブランクス用大型平坦度測定機 最大サイズ:1300x1500
- 共焦点レーザー変位計(透明体厚み測定器)最大サイズ:680x880
- 超音波式厚み測定器
- シュリーレン装置(脈理検査装置)
- 粒度分布計
- 気中・水中パーティクルカウンター
- デジタルマイクロメーター・インジケーター
まとめ
研磨の測定装置には多くの種類があり、目的に応じて使い分ける必要があります。ニットーでは多様な仕様・品質にお応えするための様々な測定装置を取り揃えております。研磨加工についてお気軽に相談ください。
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