サファイアとは
サファイア(α-Al2O3)は化学的安定性・熱伝導性に優れ、変形等の物理的破壊に強いという特徴を持っています。また、可視光より長い紫外光、あるいは可視光より短い赤外光領域でも高い透明性を示す材料として知られています。自然素材の一つですが、近代技術を用いて人工的に製法及び加工され様々な製品に仕上げることができます。
単結晶サファイア(サファイアガラス)
単結晶サファイアは高純度のアルミナ(Al2O3)を人工的に巨大結晶に成長させたもので、俗にサファイアガラスと呼ばれています。 酸化アルミニウム (Al2O3) の結晶からなる鉱物「コランダム」の純粋な結晶は無色透明です。 そこに不純物が含まれることにより色が変化することから、古くから宝石として親しまれています。
サファイアの用途
精密機器、光学機器分野
機械的、光学的、熱的、電気的、化学的な特性などに非常に優れていることから、半導体用基板やLED基板、プロジェクターや光デバイス用基板など「精密機器」と「光学機器分野」では研磨されたサファイアが主に使用されています。
宝飾造形品、耐食性容器、医療分野
グラスや皿などの「宝飾造形品」、シャーレ、ルツボ、チューブなどの「耐食性容器」、内視鏡向け窓材、歯科レーザー向けロッド、検体検査用フィルターなどの「医療分野」にもサファイアの特性が生かされています。
半導体製造装置
エッチング装置やアッシング装置など「半導体製造装置用部品」にもサファイアの特性が生かされています。
加えて、高級腕時計用窓材、アルミナコート用着材、赤外線透過用窓材、キズ防止窓材に至るまで、各分野・業界で幅広く使用されているのがサファイア製品です。
サファイアの研磨
一般的にラッピング盤やポリッシング盤を用いた研磨加工が主流です。シリコンウエハーの研磨が可能であればLED用のサファイア基板の研磨加工が可能と言われていますが、ガラスよりも硬度が高く耐熱に優れた特性を持っているため、研磨加工の方法が限られます。
研磨材
サファイアの構成成分であるAl2O3(酸化アルミニウム)はこれ自体が研磨材として使われるほど硬く、サファイアの硬度を上回るのは炭化ケイ素(SiC系)かCBN、ダイヤモンドとなり、効率よく研磨加工をするためによく使用される研磨材としてはダイヤモンドが選択肢となります。
また、サファイアから削り出して作るサファイアガラスは融点が2000℃近くなるため、型押しでの加工が困難であり研削や研磨は必須ともいえます。形をつくるための成形研削では研削盤を用いますので、ダイヤモンドホイールでの加工となります。
研削・ラップ研磨・ポリッシング工程
平面研削、円筒研削など加工しようとしている部材の形状に応じての研削を経てから、ダイヤモンドパウダーを使ってのラップ研磨、その後、CMP(化学的研磨と機械的研磨の複合)に相当するポリッシング工程で仕上げます。
まとめ
ニットーでは難加工材の研磨加工も多数経験しており実績がございますので、製品サイズ・厚み・形状問わず一度お問い合わせください。
研磨加工のレシピを工夫しアレンジすることで高品質な鏡面加工を致します。