液晶パネル研磨とは
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液晶パネル
液晶パネルとは「液晶」「ガラス基板」「バックライト」「偏光板」などで構成される表示装置のことです。液晶ディスプレイ部品の一部となります。液晶パネルは大きくは表裏2枚の基板とその間の液晶材料から構成されます。
液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイには「液晶モジュール」と呼ばれる部品が含まれており、下記の2要素で構成されます。
- 液晶パネルと呼ばれる液晶を含む板状の部品
- 液晶パネルに対して電気信号を供給するための駆動回路
液晶パネルの構成
液晶パネルの構成です(表面順)。カッコ内は厚みの例です。
- 偏光フィルタ(0.2mm程度)
- カラーフィルタ基板
(BMとカラーフィルタ、共通電極、場合によりスペーサ、0.65mm程度) - 配向膜
- 液晶層(液晶材料、場合によりスペーサ、3μm=0.003mm程度)
- 偏光フィルタ(0.2mm程度)
液晶パネル研磨の必要性
液晶パネルの「薄型化」「軽量化」
液晶パネルは薄いガラス二枚の間に液晶が挟まれてできています。液晶を挟んでいるガラスとガラスの間隔は数マイクロメートル。液晶パネル全体では0.5ミリ以下の厚みです。
最近のスマートフォンやノートパソコン、デジカメの薄型化、軽量化によって、この2枚のガラスの更なる薄型化が求められており、液晶パネルを研磨することで「薄型化」「軽量化」の問題を解決する必要があります。
液晶パネル研磨の種類
ケミカル研磨(化学研磨)
研磨対象物を研磨液(ある特定の酸、アルカリ、塩類より構成)に浸漬し、その溶解作用により研磨対象物の表面を「平滑化」「光沢化」させる方法です。
CMP研磨(化学機械研磨)
CMP(Chemical Mechanical Polishing)とは化学機械研磨を指します。
研磨剤(砥粒)自体が有する表面化学作用またはスラリーに含まれる化学成分の作用によって、スラリーと研磨対象物の相対運動による機械的研磨効果を増大させ、表面を「平滑化」「光沢化」させる方法です。
液晶パネルのCMP研磨の手順
粗加工(ラッピング)の後、鏡面加工(ポリシング)を行うのが一般的です。また、その前後で洗浄、検査も行います。
- 受入検査
- 粗加工(ラッピング)
- 鏡面加工(ポリシング)
- 洗浄
- 最終検査
1. 受入検査
液晶パネルの全体の割れ、表面のキズ、端面部のカケ、チッピング(細かいカケ)、クラック(亀裂やひび割れ)がないか確認を行います。また、液晶パネルの厚みを確認して、粗加工、鏡面加工仕上げの厚みを決めます。
2. 粗加工(ラッピング)
液晶パネルの表面を粗削りして、厚みを薄くすると共に材料にあるうねりや凹凸、ソリを矯正します。
3. 鏡面加工(ポリシング)
粗加工での表面ダメージを除去して、お客様が求める「表面状態」(表面粗さ、キズの許容)や「厚み」に揃えます。
4. 洗浄
加工時についた研磨剤や汚れ、埃などを擦り洗浄など、物理的に除去することに加え、酸性、アルカリ性の溶剤を使用して化学的に除去も行います。
5. 最終検査
特殊な光をあて、液晶パネル表面のキズやカケなどの欠陥がないか確認すると共に板厚などの測定も行い、お客様の要求(仕様)に合わせて、合否判定を行います。
液晶パネル研磨のニットー実績と生産能力
液晶パネル研磨はニットーの得意分野です。これまで様々な実績を積み上げてきました。液晶パネル研磨でお困りの企業様はぜひご相談ください。
スマートフォンのディスプレイ、カバーガラス、SAWフィルターなど
- 液晶パネルを 0.2mm まで薄型化加工
- 液晶単個パネルを 0.1mm まで薄型加工
参考)自重でたわむ液晶ディスプレイ
対応サイズと生産能力
- 加工サイズ 最少直径3φ(mm)~最大直径2100φ(mm)
- 研磨機サイズ 6B(inch)~最大49B(inch)
- 自社開発の研磨機を200台以上保有
液晶パネルのお困りごとをご相談ください
液晶パネル研磨の薄型化、キズ取りなど
昨今では、有機ELパネルの普及やケミカル研磨技術の発展により、液晶パネルをCMP研磨する需要は少なくなってきておりますが、CMP研磨を必要とされているお客様が必ずいると思っております。液晶パネル研磨の薄型化、キズ取りでお困りの際は、ぜひご相談ください。
また、厚み0.2㎜までの薄型化をはじめとする液晶パネル研磨で培ってきた平面研磨技術は、他素材、他品種の研磨にも転用が可能です。平面研磨でお困りの際は、ぜひご相談ください。
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