平面研磨の平面度とは
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平面度とは
平面度は平面な製品の面状態を表す数値であり、測定面がどのくらい平らであるかを示します。JIS B 0621によって定義される平面度は「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」とされており、測定対象物を上下から平面で挟んだ時、平面と平面の距離が平面度となります。
似た言葉に「平坦度」がありますが意味は概ね同じです。平坦度はJIS G 3193 圧延鋼板の形状を表す定義とされています。
その他にも、ウェハーであればSORIやBOW、WARPなどといった測定項目があります。全て平面の度合いを表していますが、それぞれ算出方法が異なり、製品や業界によって使われる項目が変わります。
平面度の重要性
電子デバイス製品における平面度の重要性
デバイスの動作性能と信頼性に直結する平面度
電子デバイス製品に使用される研磨加工部品の平面度は重要です。高い平面度はデバイスの動作性能と信頼性に直結します。半導体ウエハーやICチップでは微細な回路と素子が高精度で配置されており、平面度の向上によって信号の伝達や動作が安定化します。
また、熱処理においても高い平面度は均一な熱伝導を可能にし、デバイスの品質のばらつきを減らす効果があります。さらに、電気的特性の安定化や部品の接合の精度向上にも高い平面度が寄与します。製造プロセスにおいても平面度の制御が不可欠であり、高品質な電子デバイスの製造に欠かせない要素です。
光学デバイス製品における平面度の重要性
光の伝達性を向上、光学収差を低減
光学ガラスの平面度は光学デバイスや光学システムにおいて非常に重要です。高い平面度を持つガラスは光の伝達性が向上し、光学収差を低減します。また、レーザー光学系や干渉・回折装置で高い精度を実現できます。さらに、光学素子の接着においても高い平面度を持つことで均一な接触と強い接着を可能にします。
光学ガラスの平面度が制御されていないと、光学系のパフォーマンスや光学特性に悪影響を及ぼす恐れがあります。高品質な光学デバイスの製造や正確な光学測定には、平面度の管理が欠かせません。
高精度な平面度のために
適切な加工方法
製品の表面を平らに加工するために、様々な手法が取られています。切削加工から研削、研磨などがありますが、製品の形状や求められる精度に適合した加工方法が選択されます。
精密な研磨機器
研磨加工には精密な研磨機器が使用されます。これにより、均一な研磨圧と正確な速度で製品を研磨します。研磨機器の管理も重要であり、いかに正確な動きをさせるかが高精度な平面度を実現するのに必要不可欠です。
最適な研磨資材
適切な研磨資材の選択が重要です。製品の硬度や特性に合った研磨材料を使用することで、均一な研磨を可能とします。研磨剤の粒度も重要であり、粒度管理によって微細な凹凸を取り除き、高精度な平面を得ることができます。
厳密な制御
研磨プロセスの制御も欠かせません。研磨の圧力、速度、時間などを適切に調整することで、目標とする平面度を達成できます。プロセスの最中に定期的な測定とフィードバックを行い、進捗状況を把握し、必要に応じて調整を行うことも重要です。
適切な研磨環境
研磨加工の環境も考慮されます。温度や湿度、振動が平面度に影響を及ぼす可能性があるため、これらも管理された環境が必要です。
平面度の向上のために
高品質な製品の製造には研磨加工の品質管理が不可欠
様々な手法を組み合わせることで「高精度な平面度」が実現されます。高品質な製品の製造には研磨加工の品質管理が不可欠です。さらに、進化する技術や材料に対応するため、ニットーでは加工技術の開発やより最適な研磨資材の選定、加工機器の改造やアップデートが継続的に行われています。
開発中の試作品の研磨加工や、新しい素材の試作加工などにも対応しますので、お気軽にお問い合わせください。
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