ニットーの研磨加工では両面ラップ研磨機が多く使用されます。このページでは両面ラップ研磨機の原理と、当社が保有する両面ラップ研磨機についてご紹介いたします。
両面ラップ研磨機とは
両面ラップ研磨機とは「ラップ研磨」と呼ばれる平面加工を加工物(ワーク)の上下面同時に研磨する装置です。半導体ウエハや光学部品などに利用されており、一度に多数枚を加工するバッチ式加工となっています。
高精度に効率よく研磨できることが利点の研磨機です。逆に、加工するためには多数枚を必要とし、1枚、2枚の加工にはダミーワークが必要です。
両面ラップ研磨機の原理
両面ラップ研磨機は「遊星歯車機構」を用いた研磨機となっています。
4WAY式の遊星歯車機構
両面研磨機の機構としては「上定盤」「下定盤」「サンギア」「インターナルギア」の4箇所が回転する研磨機を「4WAY式」と呼びます。キャリアとサンギアを中心に自転と公転を組み合わせた遊星運動をすることで、上下定盤に挟み込まれたワーク上下面が同時に研磨されます。
ニットーの両面ラップ研磨機
様々な加工条件設定ができる「4WAY式」の両面研磨機を当社は多く保有しています。基本は上下均等減量で設定されていますが、条件設定次第で上下面の研磨量の調整も可能です。
両面研磨機のサイズ
両面研磨機のサイズは「B」を使って表現します。
「B」とは両面研磨機で使用される「キャリアサイズ(インチ)」を表します。
例えば、30Bだと「キャリア直径:約30インチ(約762mm)」の意味で、おおよそ「直径:Φ700mmの製品を一度に5枚まで両面を加工できる」研磨機になります。
ニットーが保有する両面研磨機の最大サイズは49B
ニットーが保有する両面研磨機のサイズは最大:49Bです。
おおよそ、Φ1100mmの製品を4枚同時に加工できます。
また、キャリア内に入るワークサイズであれば複数枚入れて加工ができますので、1バッチ当たりの加工数が増え、より量産性が高まります。ニットーの設備について詳しくは下記のボタンからご覧ください。
「量産性」以外の両面ラップ研磨機の利点
両面ラップ研磨機のメリットは「量産性」以外にも下記が挙げられます。 (※ワークサイズにより異なります)
- 平面度
- 平行度(厚み均一化)
- 表面(裏面)の外観品質の高精度仕上げ
- 平面度≦1μm
- 平行度≦1μm
- 表面粗さ≦1nm など
まとめ
「両面ラップ研磨機は制御できる要素が多く、適切な加工条件の設定が困難で経験に強く依存する」と言われています。平面研磨のプロフェッショナルであるニットーでは「100万通り以上から最適加工条件を見つけ出し、お客様の課題解決」にご協力させていただきます。お困りの場合はぜひご相談ください。