研磨の世界


研磨の世界

私たちの仕事は平らなものをもっと平らに、薄いものをもっと薄く研磨することです。

たとえばガラス。
薄くて、フラットで、つるつるで……。一見すると、平らでゆがみのないものですが、拡大してみると、ガラスの表面はゆがんでいることが分かります。ニットーでは、そんな平らなものをさらに薄くて平らになるように研磨しています。私たちがどんな世界で磨いているのかご紹介いたしましょう。

平らに見えるもの。でも、実は。

ガラスの表面

私たちに身近な携帯電話やスマートフォン、ノート型パソコンなどに使われている液晶ディスプレイにとって、目で見たり触ったりしてもわからないようなガラスのゆがみやキズは大敵です。このような微小なキズやゆがみは、液晶ディスプレイ以外にもIT機器などのさまざまな精密部品にとって、製品の出来上がりや性能を左右する大きなポイントになっています。ニットーはキズやゆがみを研磨することによって取り除き、限りなく平面に近くなるように加工をしています。

極限の平面。ナノメートル、オングストロームの世界

水素原子

ニットーの研磨は、オングストローム、ナノメートルという単位のレベルで行われています。1mmの1000万分の1。ちょうど水素原子の直径と同じ長さが、1オングストロームです。その10倍にあたる100万分の1mmが1ナノメートル。1000ナノメートル、つまり1000分の1mmが、1マイクロメートルとなります。

ナノメートルのレベルで研磨前と研磨後のガラス表面をみてみましょう。
下の図は、特殊な測定装置でガラス表面を測定し、コンピューター解析で表しています。研磨前と研磨後の差は肉眼では全くわかりません。この極限の平面ともいえる精度がIT機器などのさまざまな精密部品にとって不可欠なのです。

研磨前のガラス表面拡大図

研磨前のガラスを表面を拡大した図です。
表面がでこぼこになっているのが分かります。

研磨後のガラス表面拡大図

研磨後のガラスです。表面が平らになっていることがわかります。これが、表面粗さ1オングストロームの精度です。

では、私たちの身近にあるものを、マイクロメートルの世界で体感してみましょう。
画像の右端にある目盛り1個分が5マイクロメートル、つまり5万オングストロームとなります。ニット?の技術は1オングストローム以下の精度ですので、この目盛り1個分にたいして、5万分の1の精度で研磨が可能なのです。
これは、10,000m00cm0mm(10kmちょうど)と、10,000m00cm1mm(10km+1mm)の差よりも小さい精度ということです。10kmのマラソンで1mmの違いを気にする人はいませんが、研磨の世界ではこの、本当にちょっとした差が重要になってくるのです。

髪の毛

<髪の毛>© 明星大学物性研究センター

卵の殻

<卵の殻>© 明星大学物性研究センター

あなたの周りのニットー

たとえば電子・光学部品。具体的にはプロジェクターやスマートフォン、デジタルカメラの補正用フィルターなどは、光をまっすぐに通す、もしくは意図した方向に正確に光を屈折させる必要があります。しかし、ガラス表面にゆがみがあると光が設計した方向以外に屈折してしまうことがあります。そのため、表面の歪みをできるだけ少なくする必要があります。そこで、ニットーの研磨加工技術でフィルター表面のゆがみをできるだけ少なくなるように研磨します。
このように、実はみなさんの身の周りにニットーの研磨加工技術が生きています。

スマートフォン
デジタルカメラ

暮らしのなかのフォトマスク

なかでも、極限ともいえる平面が必要とされるのが、フォトマスクです。
フォトマスクとは、シリコンウエハー(基板)に回路を転写する際に用いられる材料の一種。パソコンやスマートフォンをはじめ、コンピューター入りの電化製品すべてで「頭脳」として機能している半導体集積回路を製造するうえで不可欠なものです。
フォトマスクには回路パターンが描かれており、光による転写と化学変化を利用して、基板に回路を描きます。フォトマスクは、いわば回路のネガフィルムにあたるものなのです。

ですので、基板上に精細なパターンを生成するためには、フォトマスクは限りなく平面に近い表面加工がなされていなければなりません。ニット?ではこのフォトマスクの表面研磨をオングストロームのレベルで行っています。

フォトマスク

フォトマスクのパターン幅は、数十ナノメートル。この微細なパターンが、きちんと転写されず、途切れたり、ゆがんだりするなどの不備があると、デバイスそのものの性能に影響を与えます。
例えば、フォトマスクの表面が傾斜していたり、でこぼこだったら、回路図のパターンが途切れたりゆがんだりして、基板に高精細なパターンを転写することが出来なくなってしまいます。

フォトマスクがでこぼこの場合
フォトマスクが平らな場合

ニットーの精度は1オングストローム。
極限ともいえる平面、平行の世界を実現します。この精度を、量産体制のなか大型のガラス基板に対しても出すことができます。研磨はもちろん、切断・面取り、異素材対応、試作等の多品種少量など、さまざまな対応が可能です。これがニットーの技術なのです。

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